髪のメカニズムを知って女性の薄毛に備えよう!
「おぎゃー」と産声をあげた瞬間、フサフサ頭の赤ちゃんもいますよね。髪の組織ってどの段階でつくられるのでしょうか?
髪は長い友達と書きますが、髪のことって意外と知らないものです。そこで今回は髪のメカニズムや髪のサイクル、体毛の役割など「毛」についてのマメ知識と抜け毛を防ぐ対策などについて紹介します。
毛の組織は胎児の時から作られる
お母さんのお腹の中にいる9週目あたりから、胎児はいろいろな臓器が形成されるようになるのですが、この頃に毛の組織の基盤となる「毛包(もうほう)」が頭の方から足に向かってほぼ全身に発生します。髪は、表面に見える部分を「毛幹」、皮膚から下を「毛包」と分けて表現します。
毛包が発生し始めると、皮膚の表面の部分の(表皮)と皮膚の下部分(真皮)に細胞が集まりだし、これを「原子毛芽」と呼びます。植物に例えるなら、土の中で種から発芽したようなイメージです。
そして斜めに向かって髪として伸びていき、根っこの部分は少し膨らみを持つようにり「毛球」を作ります(以下、毛髪の構造図)。
毛球に包まれた部分が「毛乳頭」です。毛乳頭は毛細血管から栄養を吸収することで、髪を成長させる大切な役割があります。毛包は胎児の時に完全に形成され、産まれた後で作られることはありません。体毛が濃いか薄いかはこの時にほぼ決まっているということになります。
髪の毛には決まったサイクルがある
こうして胎児の時にできあがった毛包は、これから一定のリズム(通常3年から6年くらい)「成長期」「退行期」「休止期」のサイクルで繰り返し髪を作る工場として活躍するようになります。
髪のサイクルの中で成長期が一番長く、この期間は毛球が大きく成長し、毛母細胞の分裂も活発で髪を長く太く成長させていきます。退行期になると成長が数週間止まり毛球も小さく変化していきます。抜け落ちると休止期に入り、数ヵ月の長い休みの期間へと突入します。長い休みを終えるとまた成長期へと変化します。
全ての髪のサイクルが同じではないので、休止期がきても髪が薄くなったと感じることはありません。注意が必要なのは、このサイクルが短くなり成長期が1年や2年で終わってしまい、細い状態で抜けてしまう場合です。
抜けている毛が細くなったと感じたら髪のサイクルが乱れているかもしれません。抜ける周期が早くなっている人は、FAGA(女性の男性型脱毛症)を発症している可能性が高いです。
【参考】女性にも起こる「男性型脱毛症」のFAGAとはどんな症状?
抜け毛が増える季節がある
髪が細くなるのは加齢が原因の場合もあります。年齢を重ねると髪のボリュームが少なくなると感じる女性も多いと思いますが、これも髪のサイクルが短くなったということです。髪は血管から栄養をもらって元気に成長することができるので、食生活の改善や血流が良くなるための運動などで対策をとってみましょう。
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また、脱毛症になったと勘違いされやすい季節もあります。人間も動物なので毛の生えかわりの時期をインプットしている遺伝子が身体の中に組み込まれているんですね。
他の哺乳類と同じように冬に備えて新しい毛へと変化させる秋には抜け毛を感じる人も多くいます。また5月から9月までの強い紫外線のダメージが皮膚を傷つけて抜け毛に繋がることもあります。
この場合には、急に抜け毛が増えたとしても少しすると収まってきますので、あまり心配することはありません。気になる人は、薄毛の対策をとるなどして、慌てずに季節を乗り切っていきましょう。
■おすすめの抜け毛対策
- 頭皮マッサージをする
- バランスの取れた食事に気を付ける
- 頭皮にも化粧水で保湿
髪を洗って乾かしたら、化粧水を髪にも振り、指の腹で頭皮を動かすようにマッサージしてください。夏の紫外線でダメージを受けた頭皮のケアをすることができます。
毛って生えてなくても大丈夫?
私達の祖先は全身が毛むくじゃらでしたが、進化とともに人間の体毛はどんどんと薄くなって現代に至っています。そのため、毛は大昔の名残りであって、今はそんなに重要な役割がないように捉えられることもありますが、体毛はそれぞれに重要な役割を持っています。
髪は皮膚の表面に向かって斜めの角度で生えています。これには重要な意味があって、体内で発生した熱を逃がさず、雨を受けても下へと誘導し体温が下がるのを防いでいます。また外部からの力を分散することも出来き、紫外線からも守ってくれる構造です。
まつ毛は、誇りや汗が目に入るのを防いでいますし、鼻毛は異物やばい菌が体内に侵入するのを阻止する役割を持っています。他の部分の毛も摩擦を防いだりなど大切な要素があります。また体毛があることで、皮膚の病気予防にも繋がっています。
髪の毛は増やして、ワキ毛やすね毛は脱毛して。と人間は見た目を気にし過ぎて本来の機能にあまり注目しなくなっていますが、毛を人工的に触るということへのリスクもあると知っておくことも大切です。
まとめ
髪のメカニズムはいかがだったでしょうか?髪は長くても6、7年くらいで抜けていくものですが、髪のサイクルは個人差も大きく髪質も人によって大分違います。そのため髪は、生活習慣やケアの方法、髪へのダメージなどが大きく作用している可能性があります。
裏をかえせば、ケア次第で良い方へと変化する可能性も高いということだと思います。最近は女性の薄毛対策や髪質改善などの相談にのってくれる専門のクリニックも登場していますので、自分の髪の状態が気になる人はカウンセリングを受けてみるのもおすすめです。
ちなみに私自身も東京ビューティークリニックやヘアメディカルビューティーなどの女性向け薄毛治療クリニックで、無料カウンセリングを受けています。それぞれのカウンセリング体験談は以下からご覧いただけます。